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治る認知症、せん妄 を引き起こす処方薬 とそのベストな対処法

[2024.02.05]

 

せん妄は意識障害の一種で、高齢者に多く見られる状態です。症状は見当織障害(時間や場所があやふやになる)や記憶障害、幻覚、妄想などさまざまな形で現れます。せん妄は一時的なもので正確に対応出来たら、直ぐに数日で治る点が他の認知症(アルツハイマー型、血管型、レビー小体型、前頭側頭型認知症)と異なります。

例えば、マイスリー、レンドルミン、デパス、サイレースなど殆ど全ての睡眠薬(ロゼレム、デエビゴ、ベルソムラ、ゾピクロン類や抗てんかん薬、メジャートランキライザーは除く)、OTCのドリエル等の眠剤あるいは、風邪薬や頭痛薬のPL顆粒とルルAゴールド、胃薬のガスター10やブスコパン、整腸薬のコンタックRや大正胃腸薬P、鼻炎やアレルギーの薬の多くに含まれている抗ヒスタミン薬(最新のH1ブロッカーは除く)は、身近な薬ですから十分代用薬がないか検討しましょう。勿論50歳代以下では薬剤過敏性の方でも軽度の眠気を感じる程度です。

さらには抗コリン薬の多くと頻尿の治療薬の一部である、ベシケア、ウリトス、バップフォー、そしてパーキンソン病治療薬のとりわけレボドパ製剤は、服薬してから数日でも、特にご高齢になるとせん妄に至ることはよくあります。

あまり使用されない薬剤にも、オピオイド系、ステロイド剤、イブプロフェン、プロプラノロール、リドカイン、アミノグリコシド、アシクロビルなど多数が該当します。恐らく知る限りでも15系統以上で100数種類にものぼると考えられます。

薬は高齢者ほど少なく最小限に絞り、処方種類が多くなれば、具体的には6種類以上になると様々な相互作用が多発的に生じてしまい、薬理作用が予想不能になりますから、薬剤を優先順位の高いものに整理してくれる、知識と経験の豊富な医師を早急に探して多剤処方はまとめてもらうとよいでしょう。

せん妄の症状は認知症周辺症状の陽性または陰性症状に酷似していて、専門医でも見誤ることがあり、入院してしまうと単調で不自由かつ不慣れな環境変化によって、さらにせん妄を増悪させてフレイル、廃用症候群やサルコペニアを併発させてしまい、不可逆な状態に陥ります。十分に治療選択には気を付けましょう。

 

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