片頭痛の前兆から発作の最新メカニズム
頭痛発作に先立ち皮質拡延性抑制(CSD)と呼ばれる、病的脱分極に伴う一過性の前兆(aura)つま
り一過性の視覚障害や感覚障害を経験します。三叉神経節の根元ではバリアが欠落しているため脳脊
髄液中の物質が侵入して頭痛を引き起こすからです。脳脊髄液が三叉神経節に流入し中枢(脳)と末
梢(三叉神経)間の非シナプス性シグナル伝達が生じることが、最近世界で初めて判明したのです。
また片頭痛が一般に片側性である理由も解明され、三叉神経を活性化するタンパク質は頭蓋内全体に
運ばれるのではなく主に同じ側の三叉神経に運ばれる為と解りました。
そして同様に片頭痛と睡眠障害の関係も説明出来たのです。
今後の展望として前兆と頭痛をつなぐシグナルが同定されたことで、片頭痛の予防と治療に新たな道
が開けるかもしれませんね。