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脳神経伝達物質ドパミンの特徴 ~最終章~

[2024.06.21]

 

ドパミンに注目した、大脳生理学や経済心理学、行動科学のビジネスへの活用法はスマートフォンの

中だけではなく、例えばスーパーであなたに食品を買わせる例でも潜在的に既に多くの企業で利用さ

れています。要は他の商品より美味しそうに見せればいい訳ですが、パッケージのデザインにこだわ

って消費者に唾を湧かせます。カスタマー満足度を上げるには、商品を手にして良い気分にさせるこ

とも重要です。消費者の興奮がスーパーの天井を突き破り、クイックなドーパミンが増加します。次

の瞬間同じブランドから新商品が出ているのに気づけば、ドーパミンは更に増すでしょう。「子供から

お菓子を盗むくらい簡単」という慣用句がありますが、この場合「子供からドーパミンを盗むくらい

簡単」と言えるかもしれません。子供たちのドーパミンを極限まで出させるのが目的で、アプリやゲ

ームを開発していると言えるのです。成人は脳の前頭葉が成熟しているおかげで合理的に考える能力

があり、子供やティーンエージャーよりも意志が強いのです。お蔭でクイックなドーパミンではなく

スローなドーパミンを選ぶこともできるのですが、それでもこのような自由資本主義経済の利益最優

先のドーパミン泥棒といえる大企業に捕まっている大人達が、残念ながら近年非常に増えているのが

事実です。

そして捕まったが最後、ゆっくりとドーパミンのベースラインは下がっていき、何かを満喫したり純

粋なモチベーションを感じたりすることは減っていくという、極めて恐ろしい脳の変化が起こって仕

舞っています。それがひいては虚無感や、そして制御出来ない大きな気分の落ち込み、最悪の場合に

は鬱状態につながる危険があるのです。

 

 

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