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パーキンソン病にとって良い生活とは

[2024.10.01]

 

パーキンソン病治療の中心的な薬剤レボドパの吸収には個人差が大きく,さまざまな要因が関与することが知ら

れています。例えばレモン水は吸収に良く,高タンパク食は良くないのです。

 

レボドパは複数のトランスポーターが関与し,腸管→細胞内→血中の順に取り込まれます。

① rBAT/b(0,+)AT(中性・塩基性アミノ酸トランスポーター);レボドパを腸内から細胞内へ運ぶ。

② LAT2(大型アミノ酸トランスポーター);細胞内から血液中にレボドパを運ぶ。

③ PepT1(ペプチドトランスポーター1);ペプチドの輸送を担当し,レボドパ吸収にも関与する。

④ TAT1(芳香族アミノ酸トランスポーター1);芳香族アミノ酸(トリプトファンやフェニルアラニン)ととも

にレボドパの輸送を助け,腸内でのレボドパの排出に寄与する。

 

これらのトランスポーターではレボドパとアミノ酸が競合することが多く,高タンパク質の食事をとると吸収が

阻害される可能性があります。特にアルギニンやロイシンなどのアミノ酸は,レボドパと同じトランスポーター

を利用します。このためアルギニンやロイシンが多く含まれる食品(ナッツ類,海産物,卵,乳製品など)は少

なくともレボドパ服用時には控えることが重要です。

① 消化管の機能:便秘や胃運動障害などで消化管の運動が低下している場合,レボドパの吸収が低下することが

あります。このため十分な水分摂取,食物繊維の摂取,そして定期的な運動が推奨されます。ビタミンCはレボド

パの吸収を促進し,その効果を持続させる可能性があります。β2作動薬は消化管の蠕動運動を促進し吸収を促す

可能性があります。

② 薬物の併用:ガバペンチンやプレガバリン,トリプタン,一部の抗うつ薬などがレボドパと同じトランスポー

ターを共有することがあり,吸収が阻害される可能性があります。また鉄剤やカルシウムなどのサプリメントも

レボドパの吸収を妨げることがあります。逆にカフェインの適度の摂取はレボドパの効果発現までの時間を短縮

し,運動機能を改善する可能性があります。

③ 熱ストレス:レボドパの吸収を妨げることが示されています。高温の環境下ではトランスポーターの発現が低

下し,吸収効率が低下するそうです。長時間のサウナや熱い風呂,過度な日光浴などは避けたほうが良いです。

 

レボドパ吸収に良い影響を与える要因 : カフェイン,大豆,食物繊維,ビタミンC,β2作動薬,炭酸水,レボド

パの溶解液

 

レボドパ吸収に悪い影響を与える要因 : 抗コリン薬,プレガバリンやガバペンチン,バクロフェン,アルファメ

チルドパ,メルファラン,三環系抗うつ薬,高タンパク質の食事,高温環境 

 

 

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