メニュー

認知機能の維持には、糖分を代謝する生理作用機構が重要です :その2/2

[2024.10.16]

 

 そして脳内における糖代謝は糖分をエネルギーに変換する化学的なプロセスですが、効果的に行われないと脳のエネルギーが不足し、思考や記憶に障害が生じるためです。 注目されるようになったのは、IDO1と呼ばれる酵素でした。いくつかの神経変性疾患の患者の脳内では、これが通常よりも多く検出されます。IDO1は免疫系の制御に重要な役割を果たしていると考えられるのですが、糖代謝を乱す可能性も指摘されてきました。マウスの脳内をアルツハイマー病と似た状態にした上でIDO1阻害薬を投与する実験を行ったところ、脳内の糖代謝が正常に戻り、認知機能も改善したのです。  IDO1阻害薬は従来、悪性腫瘍と戦う免疫系を支援する抗癌剤として用いられてきました。

 在来のアルツハイマー病治療薬は、脳内に蓄積した特定のタンパク質を除去して症状の進行を遅らせるタイプのもので、記憶や認知能力を取り戻そうとする治療薬は現時点で存在しないのです。糖代謝の乱れはアルツハイマー病以外の神経変性疾患やある種の鬱病などの気分障害でも確認されているため、このアプローチはアルツハイマー病以外の脳疾患にも有望と考えられます。

 

大阪クリニックラボメンタルケア

https://oclm.net

 

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME